エビングハウスの忘却曲線とは?よくある誤解と最適な復習タイミング

生産性向上

語学や資格、試験に向けた勉強などをしていて、こんなことを思ったことはありませんか?

「もっと効率よく学習・暗記できないかなぁ」

「なぜこんなに覚えたそばから忘れてしまうんだろう…」

私も英語や資格の勉強をする中で、何度も思いました。

せっかく時間をかけて勉強するなら、できるだけ学んだ内容を記憶に定着させたいですよね。

そんな時にヒントになるのが「エビングハウスの忘却曲線」です。

これを意識して勉強のやり方に取り入れるようにしてからは目に見えて学習効果が上がるようになりました。

つまり、多くの情報を短期間で記憶し、しかも長期間忘れにくい状態にできたのです。

この記事ではそんな有能な「エビングハウスの忘却曲線」の意味するところと典型的な誤解、そしてそれを活かした復習タイミング(学習プラン)を解説します。

こんな方におすすめ

✅エビングハウスの忘却曲線について詳しく知りたい
✅効率よく学習・勉強したい
✅せっかく勉強した内容を忘れないでいたい

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エビングハウスの忘却曲線とは

まずはエビングハウスの忘却曲線の成り立ち、その元となった実験内容を見てから、その詳細に切り込んでいきましょう。

エビングハウスの忘却曲線の概要

エビングハウスの忘却曲線(Ebbinghaus’s Forgetting Curve)とは、ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが1800年代後半に導き出したものです。

このエビングハウスの研究は人の「記憶」や「忘却」に焦点を当てたもので、100年以上経過した現代でもあらゆるシーンで活用されています。

ではこの「エビングハウスの忘却曲線」は、どんな実験をして、何をあらわしたものなのでしょうか。

エビングハウスの実験内容

端的に言うとこの実験は、「一度記憶したものを再度記憶するために必要な時間をどれだけ節約(短縮)できたか」をあらわしています。

はい、意味不明ですね(笑)

実際の実験内容と具体例を見た方が理解できると思います。

このエビングハウスの忘却曲線を導き出した実験はこのようなものでした。

実験内容

①:自身を被験者として無意味な音節※を記憶し、所要時間を計測。
②:一定時間経過後に①と同じ音節を記憶し、再度所要時間を計測。
③:①と②(①よりも短縮される)の所要時間の割合(節約率)を算出。

※日本語で言うなら、「はおし」「ちやも」「てわそ」みたいな感じですね。 

べっち
べっち

無意味な文字列を見ると、ドラクエ2 (ファミコン版)の復活の呪文を思い出す(笑)

①~③について、経過時間を20分、60分、1日、6日、30日と変えて描いた曲線が「エビングハウスの忘却曲線」(後述)です。

エビングハウスの忘却曲線の詳細

横軸は最初の学習からの経過時間、縦軸には「節約率」とあります。

節約率とは、「一度記憶したものを再度記憶するために必要な時間をどれだけ節約(短縮)できたか」ということです。

これ、ちょっぴり分かりにくいので具体例を出します。

①:Aさんがある無意味な文字列を記憶するのに10分かかった。
②:Aさんが60分後に①と同じ文字列を記憶するのに5.6分でできた。
③:つまり60分後では最初よりも4.4分(44%)、記憶時間を節約できた。

つまり、一度覚えたことは時間をおいても1回目より短時間で思い出せる、ということを示しているわけですね。

で、時間をおけばおくほど、思い出すのに必要な時間が1回目に近くなっていく(思い出しにくくなっていく)…と、そういうことです。

この節約率ですが、最初に記憶した直後は時間経過と共に急に低下するが、その後はゆるやかに低下していくという傾向が見て取れます。

節約率の推移

20分後 :58%
60分後 :44%
1日後 :34%
6日後 :25%
30日後 :21%

べっち
べっち

勉強しても1ヵ月ほっといたらほぼイチからやり直しか…

エビングハウスの忘却曲線に関する典型的な誤解

上記のようにエビングハウスの忘却曲線は、「一度記憶したものを再度記憶するために必要な時間をどれだけ節約(短縮)できたか」をあらわすものでした。(再学習の容易さ)

しかし多くの人は、「一度記憶したものが時間経過と共にどれくらい忘れるか」だと勘違いしています。(忘却率あるいは記憶の維持率)

よくある勘違い①

エビングハウスの忘却曲線とは…
「一度記憶したものが時間経過と共にどれくらい忘れるか」を示すもの

あるいは、このようにも誤解されます。

よくある勘違い②

・20分後には覚えたことの42%を忘れる(58%は維持)
・60分後には覚えたことの56%を忘れる(44%は維持)
・1日後には覚えたことの66%を忘れる(34%は維持)

まぁ無理もないですよね。

その方が理解しやすいし、印象にも残りやすいですからね。

ただ、記憶時間の「節約率」、つまり再学習の容易さと記憶の維持率はかなり近い性質を持っているとも考えられます。

なのであながち間違いでもないとは言えそうですね。

べっち
べっち

エビングハウスの忘却曲線が示すのは「再学習の容易さ」なんだね。

エビングハウスの忘却曲線を踏まえた最適な復習タイミング

一度覚えた内容を再び覚え直すのに必要な労力は大体わかった、と。

そこで気になるのは、「じゃぁどうやって学習(復習)すれば記憶に定着するのか」ですよね。

その1つのヒントになるのが、カナダのウォータールー大学のホームページに掲載されている実験結果です。

1時間の講義の後、被験者が復習しなかった場合と、復習をした場合の記憶量をグラフ化したものがこれです。

この実験結果より考察されていることは以下です。

実験結果から導かれた考察

✅復習しない場合、2日目には50%以上の講義内容を忘れる
✅復習しない場合、30日目には97%程度の講義内容を忘れる
✅24時間以内に10分復習するとほぼ100%内容を取り戻せる
✅さらに7日目に5分復習すると再度100%の状態にできる
✅さらに30日目に2~4分の復習で再度100%の状態にできる

正式な論文になっているワケではなさそうなので厳密な研究かどうかは分かりませんが、少なくとも目安としては参考にはなりそうです。

上記の考察を踏まえて、復習タイミングを以下のようにすれば間違いなくそれまでよりも記憶がしっかり定着するでしょう。

効果的な復習タイミング

✅最初の学習から24時間以内 (最初の半分以下の時間)
✅最初の学習から1週間以内 (最初の1/4程度の時間)
✅最初の学習から1ヵ月以内 (最初の1/8程度の時間)

べっち
べっち

真面目に3回も復習している時点で勝ったも同然(笑)

さいごに

「エビングハウスの忘却曲線」の神髄をご理解いただけたでしょうか。

もちろん厳密さを追求すればこの実験結果は色々とツッコミどころが満載だと思います。

ツッコミどころ

・被験者たった一人(しかも本人)だけの実験って…
・再現性は?各データは1点のみ?誤差は?
・グラフの横軸のスケール適当じゃん…

でも、あまり厳密さにこだわる「精密オンチ」になってはもったいないと思うのです。

この理論は記憶や学習のコツについて様々な示唆を私たちにもたらしてくれているので。

「復習タイミング」についてのウォータールー大学の結果も同じくです。

厳密さを追求するのではなく、それをどう実生活に活かすかが大事ですよね。

少なくとも私は上記の復習タイミングを実際に採用することで、目に見えて学習効果が上がったと感じています。

まずは自分で実践してみて、それからその効果を確かめたり、より自分にあった学習の形を見つけていってはいかがでしょうか。

最後までお付き合い頂きありがとうございました!

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