<この記事で分かること>
✅NISA (一般、つみたて)とiDeCoの制度の違い
✅NISA (一般、つみたて)とiDeCoは併用できるか?
✅NISA (一般、つみたて)とiDeCoのメリット・デメリット
国が用意した、お得に資産形成できる制度には『一般NISA (ニーサ)』、『つみたてNISA』や『iDeCo (イデコ)』があります。
いずれも税制面で優遇されている制度であり、資産形成する上での心強い味方になりえるものです。
しかし、それぞれの特徴や違いが理解できないために利用できていない方も多いはず。
そこでこの記事ではそれぞれの違いやメリット・デメリットに着目して制度の特徴を解説していきたいと思います。
✅NISAとiDeCoの制度の違いが知りたい
✅NISAとiDeCoを併用できるか知りたい
✅NISAとiDeCoのメリット・デメリットが知りたい
✅お得に資産形成したい
✅老後資金に不安がある
NISAとiDeCoの概要と制度の目的

最初にお伝えしておきたいのは、それぞれの制度にはそれぞれ別々の目的があるということです。
そして、それぞれの制度の内容は目的に応じて設計されています。
目的と手段(どの制度を使うか)が合っていないと、せっかくの制度も宝の持ち腐れになってしまいますよね。
山に登りたいのに高級なバットとグローブを持っても意味が無いですよね。
なので最初にそれぞれの制度の目的をざっくりと理解しておきましょう。
- 一般NISAは短期(~5年)の資産形成のための税制優遇制度
- つみたてNISAは長期(~20年)の資産形成のための税制優遇制度
- iDeCoは老後資金(年金)の自主的な形成を支援する税制優遇制度
…と、超ざっくりを頭に入れた上で、もう少しだけ詳しくそれぞれの制度の内容を見ていきましょう。
一般NISAの概要
「NISA」とは2014年にスタートした制度で、正式には「少額投資非課税制度」と言います。
「NISA」には「通常のNISA」と「つみたてNISA」があるため、「つみたてNISA」ではない方を「一般NISA」と呼ぶことが多いです。
通常、投資で得られた利益には約20%の税金が課されるところ、NISA口座で取引を行うと非課税になるという、大変お得な制度です。
一般NISA口座では年間120万円までが非課税投資枠で、最長5年間が非課税期間です。
また、購入できる商品は、国内株式(ETF・REIT含む)・外国株式(海外ETF)・投資信託などです。(FXや債券、金などは対象外)
「一般NISA」は、比較的短期(~5年)の投資による資産形成を支援する制度ということですね。
ざっとメリットとデメリットも見ておきましょう。
・運用益が非課税
・少額から投資できる
・株式投資に対応
・年間の非課税投資枠が大きい
・通常買付、積立のいずれも対応
・いつでも売却可能
・非課税期間が5年間と短い
・損益通算できない
・元本保証がない
ちなみに未成年者のための「ジュニアNISA」も存在します。
ジュニアNISAについて気になる方はこちらをご確認ください。

そう。NISAには実は3種類あったんだね!
つみたてNISAの概要
こちらは2018年にスタートしたNISAの一種、「つみたてNISA(積立NISA)」です。
こちらも「一般NISA」と同様、NISA口座で取引を行うと得られた利益が非課税になります。
つみたてNISA口座では年間40万円までが非課税投資枠で、最長20年間が非課税期間です。
購入できる商品は、金融庁が定めた基準を満たす投資信託のみに限定されています。
「つみたてNISA」は、長期(~20年)の積立・分散投資による資産形成を支援する制度ということですね。
こちらもメリット・デメリットを挙げておきます。
・運用益が非課税
・少額から投資できる
・長期的な非課税投資枠が大きい
・投資先が厳選されている
・いつでも売却可能
・年間非課税枠の上限が少ない
・選べる投資先が少ない
・損益通算できない
・通常買付不可(積立のみ)
・元本保証がない
つみたてNISAをおさらいしておきたい方はコチラ。
一般NISAとつみたてNISAの詳細な比較についてはコチラをドウゾ。
iDeCoの概要
iDeCo (イデコ=個人型確定拠出年金)とは、『自分で作るオリジナルな年金制度』です。
これは、自分が拠出した掛金を自分で運用し、その資産を原則60歳以降に老齢給付金として受け取ることができる制度のことでしたね。
つまり、iDeCoは老後資金の形成を支援する制度なのです。
そして、以下のようなメリット・デメリットがあります。
・運用益が非課税
・掛金全額が所得控除に
・お金を受け取る時も控除を得られる※
・元本保証型の商品がある
・60歳まで資産を引出せない
・自営業者以外の投資枠が少ない
・最低投資額が若干高い
・損益通算できない
・通常買付不可(積立のみ)
iDeCoの制度を詳しく知りたい方はコチラも合わせてどうぞ。

私の勤務先では規定によりiDeCoに加入できない…残念!!
NISAとiDeCoは併用できる
NISA(一般、つみたて)、iDeCoそれぞれの目的や概要、メリット・デメリットは分かったと。
では60歳までに使う可能性があるお金も、それ以降の老後資金としてのお金も同時に効率的に貯めたい場合はどうすればよいのでしょうか。
答えはカンタン。NISA(一般 または つみたて)とiDeCoを併用すればよいのです。
ただし、一般NISAとつみたてNISAの併用は不可能なので以下のいずれかのパターンのみが可能です。
①一般NISA & iDeCo
②つみたてNISA & iDeCo
①の場合は、短期的な投資でリターンを狙いつつ、老後資金も貯めたい方。
②の場合は、中長期的な投資で着実に資産を増やしつつも、老後資金を貯めたい方。
こんな方々に向いてそうですね。
NISAとiDeCoの比較

NISA (一般、つみたて)とiDeCoそれぞれの目的も概要も理解したところで、いよいよそれらを比較してみましょう。
一般NISA/つみたてNISA、iDeCoの比較表
まずはNISAとiDeCoの特徴を一気に見てみましょう。
いずれも運用益が非課税になるというメリットを持つ制度ですが、こうして見てみると違いはたくさんありますね!

※iDeCoの対象者は2022年5月に拡大されます。実際はもう少し複雑なので詳細な点は以下をご参照頂ければ幸いです。
NISA (一般、つみたて)とiDeCoのメリット/デメリットまとめ
それぞれの特徴を並べただけでは分かりにくいので、それぞれの制度のメリット/デメリットを抜き出して見てみましょう。

それぞれのメリット欄の青字部分とデメリット欄の赤字部分が注目ポイントです。
これらの注目ポイントに絞って、さらに詳しく解説します。
3つのポイントに絞った詳細比較
NISA (一般、つみたて)とiDeCoそれぞれ特徴から、「資産引き出しの自由度」「税制の優遇対象」「年間の非課税投資枠」に絞って比較します。
資産引き出しの自由度
iDeCoを語る上で絶対に欠かせないのが「資産引き出しの自由度」です。
いえ、iDeCoの場合は「資産引き出しの不自由度」と言った方が正確かも知れませんね。
NISA (一般、つみたて)はいつでも商品を売却して資産を引き出すことが可能です。
しかしiDeCoでは商品を売却することはできても、60歳まではその資産を引き出せないのです。
iDeCoの加入者が障害を負ってしまった場合や死亡してしまった場合には、60歳前でも障害給付金や死亡一時金を受給することはできます。
しかし、ただ「手持ちのお金が無くなってしまったから引き出したい」といったことは不可能なのです。
いつでも引き出したい資産として資産形成したい場合にはiDeCoは向かないでしょう。
しかし、必要な資産は別で確保した上で、老後資金も確実に(途中で手を付けずに)積み上げたい場合には有効ですね。
税制の優遇対象
NISAの章で触れたように、 通常、投資で得られた利益には約20%の税金が課されます。
しかし、NISA (一般、つみたて)とiDeCoを利用すれば運用益が非課税となります。
ここは全て共通の点ですね。
一方でiDeCoにだけある税制上のメリットが存在します。
それは、iDeCoの場合は運用益だけでなく、掛金も全額が所得控除の対象となる点です。
その代わりと言っては何ですが、(何も工夫をしなければ)受け取り時に課税されます。
しかし、受け取り方によって「退職所得控除」や「公的年金等控除」、あるいはその両方の対象になります。
つまりiDeCoは受け取り方によってはNISAよりも大きな税制上のメリットを受けられるということですね。
ちなみにNISAは資産の受取時には税金はかかりません。
でも、投資をする際には所得税等の税金を引かれた後のお金を投入するので、税金を取られているも同然です。
よって工夫次第ではiDeCoの方が税制上、有利に活用できるということですね。
年間の非課税投資枠
運用益が非課税になるので、余裕さえあれば多くの資金を投入したくなりますよね。
そこで3つめの比較項目は年間の非課税投資枠です。
上でも述べた通り、3つの制度の年間投資可能額は以下の通りになっています。
一般NISA : 120万円
つみたてNISA: 40万円
iDeCo : 14.4万円~81.6万円※
※職業、勤め先など条件によって変わる
自営業者等の第1号被保険者としてiDeCoに加入する方は年間81.6万円(月額6.8万円)まで投資できるのでかなり大きな枠ですよね。
20歳から60歳までiDeCoに加入すれば、40年間で何と合計3,000万円以上拠出できることになります。
一方、つみたてNISAの年間の非課税投資枠は40万円で、投資可能期間は2042年までになります。
なので制度が始まった2018年に始めた人だと最大で25年間、非課税枠を使えるのでつみたてNISAでは合計1,000万円ですね。
他方、自営業者以外の方がiDeCoを利用する場合の上限は年間14.4万円~27.6万円です。
自営業者以外の方がフルでiDeCoを活用する場合は、条件によってはつみたてNISAをフル活用する場合と同程度の合計拠出額になりそうですね。
…と、このようにiDeCoは加入者の職業、条件によって年間の非課税投資枠が変わります。
さらに、それぞれの制度で新規投資可能な期間(と非課税期間)が異なるので単純な比較は困難ですね。
まとめ
NISA (一般、つみたて)とiDeCoの特徴やらメリット・デメリットやら、情報が盛りだくさんでした。
だいぶお腹いっぱいになってしまったと思うので、最後に要点をまとめておきます。
✅一般NISAは短期で (攻めの投資で)資産を増やしたい方向け
✅つみたてNISAは長期で (着実な投資で)資産を増やしたい方向け
✅iDeCoは老後資金を確実に貯めたい方向け
✅NISA (一般またはつみたて)とiDeCoは併用できる
それぞれの制度の違いやメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況を鑑みてどの制度を利用するか考えて頂ければ幸いです!
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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