自己投資の王道といえば語学、語学の勉強といえば英語(TOEIC)、と考える方も多いのではないでしょうか。
実際、ビジネス英語の試験であるTOEICの受験者数はここ数年は毎年300万人と、大人気の試験であることが伺えます。
私はというと、最近仕事で英語(特に読み書き)を多用する職場に異動になったので、これを機にTOEICの勉強に力を入れることにしました。
留学も海外駐在の経験もありませんでしたが、英会話スクールの受講などもせずに完全独学でTOEIC 945点を取得することができました。
その時の勉強法を、主に考え方(学習の進め方)に絞って紹介したいと思います。
こんな方におススメの記事です!
・漠然とTOEICの勉強をしているが、このままのやり方でよいか悩んでいる方
自分の中の目的をはっきりさせる

何事をするにも目的がないと間違った方向に、間違った手段で進んでしまう可能性があります。
目的を立てておけば、挫折しそうになったときや、面倒になってしまったときに、思い返すだけで継続する意欲が戻ってきます。
「英語スキルを身に着けて社会の役に立ちたい」とか立派な目標でなくても全然問題ありません。
「TOEICで高得点を取ってドヤ顔をしたい」でもいいし、「英語自慢をしてくるアイツを見返してやりたい」でも何でもいいと思います。
ちなみに私の場合は仕事の大半が英語の読み書きだったので、仕事を早く終わらせて好きなことをしたい!!というのが目的でした(笑)
「転職に有利なスキルを身に着けたい」という目的もありましたが、まぁそっちは後付けですね。
いずれにせよ、自分が本当にそうだと思う目的を立てておくのが継続学習の重要なポイントです。
目的に沿った目標を立てる
目的が定まったら、その目的に沿った目標をたてます。
目標を立てることにはこんな意味があります。
①目的を達成するための指標になる
②モチベーションが高まる、維持できる
目標設定の意味①:目的を達成するための指標になる
ただ漠然と勉強を初めてしまってもダメではないですが、目標がなければどこまで頑張ればよいのか、どこに向かえばよいのかが分からず、無駄骨になる可能性があります。
この目標を達成できれば、目的も達せられる、というできるだけ具体的な目標がよいですね。
もし立てた目的が「TOEICで高得点を取ってドヤ顔をしたい」であれば、次に考えるのは、「何点とれば周りにドヤ顔できるだろうか?」とか、「いつまでにそうなりたいか?」あたりですね。
そうなると、この場合の目標は例えば「1年以内にTOEIC 900点以上取る」とかになるかも知れませんね。
目的は漠然としたものになりがちなので、それをより具体的に、達成したかどうかを判定できるような目標に置き換えることで、目的の達成にも近づくことができると思います。
逆に、「1年以内」とか「900点」といった具体的な指標がないと、その目標を達成できたか判定することができません。また、途中段階でも目標まであとどれくらいギャップがあるのかもわかりません。
目標設定の意味②:モチベーションが高まる、維持できる
モチベーション(やる気)の源はドーパミンという、体内で分泌されるホルモンだと言われています。
このドーパミン、実は目標を設定するだけでも分泌されることが知られています。
さらには学習の途中で目標を再確認するタイミングでも分泌され、目標を達成することでさらに分泌されるのです。
つまり、ただ気合と根性で毎日毎日つらい勉強をするのではなく、カラダの仕組みを利用して無理なく継続するのが吉ですね。
そのような体内の仕組みを考えると、ドーパミンを分泌されるための工夫として以下が挙げられます。
・最終的な目標だけでなく、途中途中の目標も設定する
・自分でコントロールできる目標を設定する
現状の実力を把握する

目的と目標を設定したら、次にやるべきは現状の把握です。
TOEICの場合は実際にテストをやってみるのが早道で、本屋で売っている模試で十分。
ただし、必ず時間を測定して、それに沿ってやりましょう。
リスニング、リーディングそれぞれの点数だけでなく、パートごとの点数と正答率まで把握しましょう。どこを重点的に学習するべきかを明らかにするためですね。
学習の計画を立てる(Plan)

仕事のスキルでよく「PDCA」が云々、と耳にすることが多いと思います。実はこれ、勉強でもスポーツでも、全てのことに当てはまります。
…ということで、現状把握が出来たら次は計画化です。まるで仕事みたい(笑)
学習の計画は、中期的な計画と短期的な計画の2段階で立てるのがよいと思います。
中期的な学習計画
目標の期日までに目標の点数(学習時間)を達成するにはどうするか、プランを立てます。
期間を区切っていつまでに何点、その次はいつまでに何点、と。
その進捗が分かるように途中途中で学習効果を確認するために模試をやる日を決めておきます。(しんどいけど月に一回以上計画すると、PDCAを早く回せます)
短期的な学習計画
最初の効果確認までにやることをきめます。
模試の結果、セクションごと、パートごとの正答率に偏りがなければ、模試をやり続けます。
リーディングとリスニング、どちらかが目立って点数が悪ければそちらに、特定のパートの点数が悪ければ、そこに特化した教材を買って勉強します。
私の場合は「現状把握」の時点でリーディングの方が苦手だったので、そちらに特化したTOEIC用の教材と、速読のための本を買って学習しました。
ちなみに、速読の力を上げるために私がお世話になったのは、「毎日の英速読 頭の中に「英文読解の回路」をつくる」という本です。
リスニングセクションにも問題文が書かれているパートがあるので、リーディングの要素が含まれます。
なのでこの速読の練習はリーディングの点数が上がってきてからもずっと継続しました。これがリスニングセクションの点数アップに貢献したことは間違いないです!
一日の勉強時間を決める
短期、中期的な学習内容が決まったところで、一日何時間くらい勉強すればよいのでしょうか?
実は大体の目安があって、それが下の表になります。
これはオックスフォード大学出版局も引用しているTOEICのスコアアップと学習時間の一覧表になります。
「現スコア」と「目標スコア」の交わったところに書いてある数字が、目標達成に必要な学習時間になります。
目標スコア | |||||||
現スコア | 350 | 450 | 550 | 650 | 750 | 850 | 950 |
250 | 200 | 425 | 700 | 950 | 1150 | 1450 | 1750 |
350 | – | 225 | 450 | 700 | 950 | 1225 | 1550 |
450 | – | – | 225 | 450 | 700 | 975 | 1300 |
550 | – | – | – | 225 | 450 | 725 | 1050 |
650 | – | – | – | – | 225 | 500 | 825 |
750 | – | – | – | – | – | 275 | 600 |
850 | – | – | – | – | – | – | 325 |
(出典: Saegusa 1985)

半年以内に850点取ってアイツを見返してやりたい!
たとえば、現在のスコアが650点の人が850点を目指すAさんなら、それに必要な学習時間は500時間、というわけです。
そしてこのAさん、6か月(180日)以内にこの点数を達成したい場合は500(点)÷180(日)で、おおよそ毎日3時間学習する必要があることが分かります。
「毎日必ず○○時間」という設定が厳しい場合は、「一週間の中で必ず△△時間」というように調整してもよいと思います。
平日に何時間も学習できないよ…という場合は休日に多めにやって一週間の中でつじつまを合わせる、もOKということです。
実際に学習する(Do)

あとは計画に従ってやるのみ!
どんな問題を解く場合でも同じですが、問題を解いた後は必ず復習をしましょう!
さすがに問題を解いて採点をしない人はいないと思いますが、復習しない人は結構いる気がします。
しかし復習しないで「間違えたら間違えっぱなし」では上がる点数も上がりません。
「自信を持って回答して正解した」以外の問題は、なぜ間違えたのか、なぜこれが正解だったのかを、何度も復習しましょう。
採点の際に、問題ごとに以下のような印をつけておけば復習がしやすくなります。
○:自信を持って回答し、正解した
△:自信がなかったが回答し、正解した
▲:自信がなかったが回答し、間違えた
×:自信を持って回答したのに、間違えた
復習の優先度としては、×⇒▲⇒△⇒○の順に考えればよいです。
×の、「自信を持って回答したのに、間違えた」は一番重症ですよね。これは今後も間違え続ける可能性が一番高いので真っ先に手当しましょう、ということです。
こんな感じで今後も間違える可能性が高い順に、重点的に復習をするととても効率がよいです。
学習効果を確認する(Check)

中期的な学習計画に従って、いくつか設定した中間ポイントで模試を実施します。狙った学習効果は出ているか、目標とのギャップは小さくなったかを確認しましょう。
ここでも「現状把握」と同様に、セクションごと、パートごとの正答率までしっかり把握しましょう。
方向修正する(Action)
中間ポイントでの「チェック」によって自分の現在地が分かったら、目標に対して方向修正します。
方向修正は、学習ペースの修正と、学習内容の両面の観点を入れるとよいでしょう。
学習ペースの修正
このままのペースで学習を進めれば目標に到達できるのでしょうか?
もし今のままの学習時間で目標に到達しなそうであれば、一日あたりの学習時間を増やす必要があるかもしれません。
当たり前ですが、一日は誰にとっても24時間だけです。
目標を下方修正したくないのであれば、日常の何かをやめて英語学習にあてる覚悟をすべきかも知れませんね。
学習内容の修正
中間ポイントでの模試により、自分の弱点が当初から変わっていることが分かったらそちらを潰しにかかりましょう。
ここで注意したいのが、以前潰した弱点が再発しないようにしたい、という点です。
新しい弱点にかかりっきりになるあまり、かつての弱点が再浮上する、というモグラ叩きはやりたくないですよね。
実は定期的に実施する模試&復習がそのモグラ叩き発生の対策になります。
当たり前ですが、模試は全部のパートを網羅しています。
なのでこれを本番のように実施して、しっかり復習することで、かつて弱点にあてたパッチが分厚くなっていきます。
なのでここでも言いたいのは、「問題は解くだけでなく、必ず復習しましょう!」です。
さいごに

TOEICで高得点を取るために必要なことをまとめると、とてもシンプルでこのようになります。
- 目的と目標を明確にする(「■■のために」、「○○までに△△点を達成する」)
- 現状(実力)を把握する(模試を実施する)
- PDCAを回す(計画化⇒実行⇒中間チェック⇒方向修正)
こうやってみると、あたりまえのことのように見えますね。
このような当たり前のことを愚直に継続することが、結局は近道ということですね。
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