ご存じの通り、超低金利であるこのご時世では預貯金ではお金はほとんど増えていきません。
そればかりか、貯金だけではむしろ損してしまうような時代です。
かといって、投資をはじめようにも中々ハードルが高くて始めにくいですよね。
そんな時に味方になってくれるのが「つみたてNISA」という制度です。
その名前を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
これは国が準備した制度の名前で、私たちの資産形成を後押ししてくれる、とっても強い味方なのです。
この記事ではその「つみたてNISA」について、今さら人には聞けないような基礎知識と、メリット・デメリットについてやさしく解説します。
既に知っているよ!という方も復習がてら確認して頂ければと思います。
✅つみたてNISAの基礎知識を身に付けたい
✅つみたてNISAのメリット・デメリットを知りたい
✅投資を始めたいが何から始めれば良いか分からない
ちなみに、投資を始める前には「生活防衛資金」の確保を忘れずに。詳しくはコチラ。
つみたてNISAの基礎知識

まずはつみたてNISAの最も基本的な知識を押さえていきましょう。
そもそも「NISA」とは?
つみたてNISAのことを知る前に、そもそも「NISA」について知っておく必要があります。
「NISA」とは2014年にスタートした制度の名前で、正式には「少額投資非課税制度」と言う名称です。(Nippon Individual Saving Accountの略)
通常、投資で得られた利益には約20%の税金が課されます。
ところが、この「NISA」を活用すれば、投資で得られた利益に税金がかからなくなる(非課税になる)のです。
「少額での投資であれば非課税にしてあげるよ」という制度なので「少額投資非課税制度」というわけですね。

たまに誤解されるけど、「NISA」という金融商品があるわけじゃないよ。
つみたてNISAとは?
この「NISA」は実は以下に挙げる3種類が存在します。
✅一般NISA (単に”NISA”とも)
✅つみたてNISA
✅ジュニアNISA
「一般NISA」と「つみたてNISA」は成年向け、「ジュニアNISA」は未成年向けです。
このうち成年向けの「一般NISA」と「つみたてNISA」は同一人物が同時に加入することはできません。
どちらか片方しか選べないので迷うところではあります。
…で、投資初心者に断然オススメなのはつみたてNISAなんですが、その理由は「メリット」の章で詳しく解説します。

我が家もお世話になっております。
つみたてNISAの制度概要
制度の目的を理解するとその詳細が理解しやすくなるので、まずはその目的に軽く触れておきましょう。
つみたてNISAの目的は、長期の資産形成を後押しすることです。
逆に言えば、短期的に一発当ててやろう!とか考えている方には向かない制度ですね。
その特徴は「分散」「積立」「長期」の3つにあります。
複数の銘柄に資産を分散させて、コツコツ積み立て購入し、長期的なリターンを期待する。
そういった投資スタイルを取るための制度です。

分散!積立!長期!
つみたてNISAの制度詳細
制度の目的や概要、考え方が分かったら次はもう少し具体的な内容を見ていきましょうか。
つみたてNISAの特徴をつかみやすくするために、一般NISAと並べて見てみましょう。

つみたてNISAの代表的な特徴はコチラです。
①非課税で運用できる期間が20年間
②非課税で投資できる金額が40万円(年間)
③投資対象は金融庁の基準を満たしたものだけ
つみたてNISAでは非課税で20年間運用が続けられます。
例えば、今年40万円分の投資信託を購入して20年後に100万円に値上がりしたとします。
通常であればそれを売却すると、利益である60万円分に約20%の税金がかかり、約12万円を取られてしまいます。
しかしつみたてNISAを利用すればその12万円を取られずに済むということです。
資産は複利で増えていくのでこの投資期間が長いほど利益が大きくなり、その節税効果も大きくなるわけですね。
そしてつみたてNISAで投資できる上限額は年間40万円です。
月々にすると約3万円。
無理して毎月約3万円、フルで投資する必要はないので、出来る範囲で活用したいですね。
その年間40万円で購入できるのは、金融庁が定めた基準をクリアした「投資信託」のみなのです。
「投資信託」とは、一言で言えば複数の金融商品(株とか債券とか)の詰め合わせパックのことです。
これ1つを購入すれば、「国内外の株式&債券」とか、「全世界の株式」とかに一度に投資できる、といったシロモノなんです。
さらに詳しく知りたい方はコチラをどうぞ。
世の中に何千もある投資信託のうちで、その厳しい基準をクリアできたのはたった210本の投資信託のみです。(2022/4月現在)
致命的なゴミ商品をつかむ可能性がだいぶ下がっているので、初心者にはちょっと安心できますよね。

ちょっと難しかったかな?赤字だけおさらいすればOK!
つみたてNISAのメリット

①得られた利益が非課税になる
②投資商品が厳選されている
③投資タイミングで失敗しにくい
④長期で安定したリターンが見込める
メリット①:得られた利益が非課税になる
上で既に解説しましたが、つみたてNISAで得られた利益は非課税で受け取れます。
もちろん、投資できる上限額は年間で40万円だし、20年間の運用で得た利益分だけ、という条件はあります。
それでも40万円を制度終了予定の2042年まで毎年投資し続けて、そこから得られる利益を丸々手に入れられるのはとても大きなメリットですね。

一番基本的かつ重要なメリットだね。
つみたてNISAの非課税期間終了後に何が起きるかについての詳細はコチラをご参照ください。
メリット②:投資商品が厳選されている
2つ目のメリットは、つみたてNISAでは投資商品が厳選されている、という点です。
これも上で触れた通り、金融庁が定めた厳しい基準をクリアした投資信託のみが投資対象なのです。
日本に存在する約6,000の投資信託のうち、基準をクリアしたのはたったの210本(2022/4月)なので、それだけ狭き門ということが分かりますね。
世の中にある詐欺まがいの投資信託や、手数料が極端に高い商品、長期投資には向かない商品をことごとく除外した結果、ここまでの数に絞られたということですね。
投資の初心者であっても、変な投資信託を選んでしまう可能性が低くて安心できるということですね。

世の中の投資信託の97%はイマイチってことか…
メリット③:投資タイミングで失敗しにくい
3つ目のメリットは、投資タイミングで失敗しにくい、という点です。
一括でドンと株式や投資信託を購入する場合は、そこが底値であればその後の値上がりで大きな利益を上げられます。
でも、そんなことはプロでも難しく、素人の私たちには不可能に近いですよね。
「買ったらそこが天井だった」「買ったらすぐに値が下がってしまった」という「高値掴み」をしてしまうのがオチです。
そこで積立購入です。
長期にわたってコツコツと積立購入していけば、購入タイミングが分散されて「高値掴み」を避けることができます。
チャートを見て分析したりせずに、ほったらかしで良いというのも楽で嬉しいですよね。

朝から晩まで投資…をしなくていいのは助かる。
メリット④:長期で安定したリターンが見込める
4つ目のメリットは「長期で安定したリターンが見込める」点です。
株式や債券を始めとするあらゆる金融商品に共通することですが、その価格は上がったり下がったりを常に繰り返しています。
1年など短い期間で見れば大きなプラスの年もあればマイナスの年もあります。
それを20年といった長期間でみればプラスとマイナスがならされてリターンが安定してきます。
以下は金融庁の資料に載っている、「国内外の株式・債券に分散投資した場合の収益率の分布」です。
保有する金融商品の種類や割合にも寄りますが、このように保有期間が長いほどリターンが安定し、プラスになる可能性が高まります。
下の過去のデータの例で言うと、保有期間5年では元本割れのリスクがありますが、20年ではプラスになるということです。
これを見ても分かるように、長い投資期間を活用できる「つみたてNISA」では安定したプラスのリターンを期待できるということですね。


「時間」を味方につけよう!
つみたてNISAのデメリット

さて、良いことだらけに見えるつみたてNISAですが、もちろんデメリットもあります。
そちらも見ていかないと冷静にこの制度の良し悪しを判断できないですよね。
そのつみたてNISAのデメリットはこれらの3点です。
①選べる投資商品が限られている
②元本保証がない
③損益通算ができない
デメリット①:選べる投資商品が限られている
デメリットの1つ目は「選べる投資商品が限られている」という点です。
上の制度の解説の章やメリットでもお伝えした通り、つみたてNISAで購入できるのは厳選された長期的な資産形成に向く投資信託のみです。
もっとリスクを負って攻めの投資をしたい方には物足りなく、選択肢が少なすぎると感じるかも知れませんね。
でも、そんなリスクを負った投資は「投機」つまり「ギャンブル」になりがちです。
そんな一握りの人間しか勝てない投資よりも長期的に安定したリターンを目指すならば、つみたてNISAのラインナップで十分かも知れませんね。

多くの人には「デメリット」ではないかもね。
デメリット②:元本保証がない
2つ目のデメリットは、つみたてNISAは「元本保証がない」という点です。
元本が保証された(資産が減らない)金融商品の代表といえば「預金」ですよね。
つみたてNISAにはそういった元本保証型の商品は含まれていません。
ただ…これも実質的にはほぼデメリットになりません。
元本保証型の商品(預金など)は株式や債券のような値動きが無く、配当金や利子などもほとんどないですよね。
ということは、つみたてNISAの最大のメリットである「利益に対して非課税」という特徴を活かせません。
元本保証された商品を持ちたいならヨソ(つみたてNISA以外)でやりましょう。

リターンが欲しければ相応のリスクも受け入れないとね
デメリット③:損益通算ができない
最後、3つ目のデメリットはちょっとマニアックで、「損益通算ができない」という点です。
つみたてNISAの口座で発生した損失は、他で得た投資による利益と相殺することができないのです。
通常、商品Aで100万円の損失が出て、商品Bで100万円の利益が出た場合、それぞれの損失と利益が相殺(=損益通算)されてプラマイゼロになります。
その結果、税金がかからないことになります。
一方でつみたてNISA口座で100万円の損失が出て、それ以外の口座(特定口座などの課税口座)で100万円の利益が出た場合、NISA口座で出た損失で他方の利益を相殺できません。
その結果、トータルでは利益が出ていないのにも関わらず、約20万円を税金として取られてしまいます。
また、つみたてNISAで発生した損失は、翌年に損失を繰越して翌年の利益と相殺する「損失の繰越控除」も利用できません。
ただ前にも述べた通り、20年といった長期間の投資においてはプラスのリターン(利益)を得られる可能性が高いです。(ゴミ商品を選ばなければ)
なので、このデメリットもそこまで致命的なものではないと言えそうですね。
少々難しい話ですが、こういったデメリットもあるという事だけは覚えておきましょう。
他にも、初心者がやりがちなつみたてNISAの失敗例があるのでこちらも合わせてどうぞ。

最後のデメリットは「ふーん」でOK
まとめ

つみたてNISAの基本とメリット・デメリットについておおよそ理解できたでしょうか。
✅つみたてNISAは長期的な資産形成を後押しする制度
✅つみたてNISAでは投資で得られた利益が非課税になる
✅つみたてNISAのメリット
①投資で得られた利益が非課税
②投資できる商品が厳選されている
③投資タイミングで失敗しにくい
④長期で安定したリターンが見込める
✅つみたてNISAのデメリット
①選べる投資商品が限られる
②元本が保証されていない
③損益通算ができない
つみたてNISAは国の肝入りで推進している制度なだけあって、投資初心者にはうってつけのお得な制度です。
投資をこれから始めたい方は是非、つみたてNISAから始めることをオススメします。
ちなみに我が家でも、私と妻がつみたてNISAを、子供用にはジュニアNISA口座を開いてそれぞれで投資をしています。
多少の勉強は必要ですが、このようなお得な制度は極力活用して、着実に資産を増やしていきたいですね♪
最後までお付き合い頂きありがとうございました!
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