近年、米国株式への投資の人気が高まってきていますね。
そんな米国株式の投資信託の代表格と言えば、「S&P500」と「VTI」に連動する商品です。
「S&P500」は米国の代表的な500社の株式を対象としたインデックス (指数)。
「VTI」は米国企業全体=全米の株式を対象としたインデックスに投資する商品ですね。
今回はそんな、1つの商品だけで全米の株式に投資できる「VTI」のしくみや特徴、VTIに連動する代表的な投資信託を紹介します。
VTI (全米株式)とは

VTIとは、「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(Vanguard Total Stock Market ETF)」という正式名称を持つ、米国のバンガード社が提供するETF (上場投資信託)のことです。
そのティッカーシンボル(銘柄コード)が「VTI」なので「VTI」と呼ばれています。
ETFというのはある特徴を持った投資信託 (ファンド)のことなんですが、そもそも投資信託やETFについて分からない方はこちらの記事をあわせてどうぞ。
で、このVTIは米国企業約4,000社の株式から構成されているETFです。
米国の企業ほぼ100%に投資できることから「全米株式」とも呼ばれているわけですね。
ここから先はもう少し詳細にVTIの特徴を見ていきたいと思います。
VTIが連動するインデックス
VTIはCRSP USトータル・マーケット・インデックスという指数 (インデックス)に連動しています。
この指数こそが、米国株式市場で投資できる銘柄のほぼ100%をカバーする株価指数なのです。
その投資対象は米国企業おおよそ4,000社。
GAFAMといった大企業はもちろん、米国の中小企業の銘柄まで幅広い株式を対象としています。
米国の代表的な大企業500社を対象とした「S&P500」よりも、さらに投資対象が分散されているということですね。
「S&P500」についての詳しい解説はこちら。

S&P500とVTI…甲乙つけがたい…
VTIの構成銘柄
米国の小型株から大型株まで広く投資できるVTI。
その具体的な構成銘柄の代表例を見てみましょう。
以下は2022/8/17時点でVTIを構成する上位10銘柄のリストです。
こうして見るとS&P500の構成銘柄と代わりばえしませんね。
というか、この時点では上位10銘柄の顔ぶれは完全一致です。
VTIの方がより多くの銘柄を対象にしている分、1銘柄あたりの比率がやや低くなっているくらいの違いですね。
なお、VTIもS&P500と同じく、「時価総額加重平均」で組入れ銘柄が決定されています。
つまり、時価総額の大きい銘柄ほど、その構成比率が大きくなるってことですね。
時価総額が減っていく企業は自然と順位を下げ、VTIの中での比率が下がっていくという仕組みです。
常に力のある企業に投資し続けられる、投資家にとって便利なシステムですね。

銘柄選定や組み換えの必要がないのは嬉しいね。
VTIのリターン
ここで気になるのがVTIの過去のリターン、つまりどれだけ収益を上げられてきたかですよね。
もちろん過去のリターン情報が今後にも当てはまるかは未知数ですが、それでも軽く見ておきましょうか。
リターンは年によって変動しますが、VTIが設定されて以来の平均リターンは年率8.01%です。
ただし、繰り返しになりますがリターンは年によって大きく変動します。
例えば、2008年では-36.97%だし、かたや2013年では+33.51%といった感じです。
毎年毎年、約8%のリターンが得られると思ったら大間違いなので、そこは注意しましょう。
尚、ここ1年、3年、5年、10年、設定来のリターン(2022/8/17時点)は以下の通りです。

さすがに直近1年ではマイナスになっていますが、中・長期的には中々のリターンとなっています。
未来のことは誰にも分かりませんが、今後も過去と同じようなリターンを期待するならばVTIは有望な投資先ということですね。

長期的には右肩上がりを期待できる…かも。
VTIのその他の基本情報
VTIの基本情報は以下の通りです。

直近の基準価額は約220ドルなので、1株買うだけで3万円近く必要になってしまいます。
経費率(信託報酬や売買手数料等を合わせたもの)が0.03%と破格の安さなのは、その純資産額の大きさが成せるワザなんでしょう。
また約38兆円という莫大な純資産額ゆえ、「繰上償還」というファンドが解散に追い込まれるリスクが極めて低いと言えるでしょう。
そうは言ってもやっぱり1株当たりの必要額が大きくてちょっと手が出しにくい。
そんな時に有効なのが次で紹介する、VTIに連動する投資信託です。
投資信託(ETFでない)であれば100円から購入できるので一気に身近な存在になりますね。
VTIに連動する代表的な投資信託

で、実際にVTIを購入したい場合にどうすればよいか、です。
もちろん本家VTI (米国のETF)を購入するのもよいですが、よりお手軽なのは「VTIに連動する投資信託を購入する」という方法です。
以下に挙げるような日本の投資信託であれば、日本円で購入できる(為替手数料が不要)し、少額から投資できるので非常に敷居が低いのです。
しかも運用成績(リターン)自体もVTIと基本的には同じです。(手数料分を除き)
✅楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)
✅SBI・V・全米株式インデックスファンド(SBI VTI)
その他、ETFと投資信託の違いについては別の記事もご参照くださいね。
楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)

1つ目に紹介するのが、楽天が提供する「楽天・全米株式インデックスファンド」、通称「楽天VTI」です。
楽天証券が扱う投資信託の中で常に上位に位置する人気の投資信託ですね。
他の多くの投資信託と同様に、100円から購入することができます。
購入手数料や信託財産留保額(解約手数料)は不要で、信託報酬も0.162%とかなり低め。
さらにはつみたてNISAとしても購入できる、イケてる投資信託ですね。

べっちも楽天VTIを保有してるよ。
SBI・V・全米株式インデックスファンド(SBI VTI)

2つ目はSBIアセットマネジメント社が提供する「SBI・V・全米株式インデックスファンド」、通称「SBI VTI」です。
こちらも楽天VTIと同様に100円から購入できます。
また、購入手数料と信託財産留保額(解約手数料)が不要という点も同じですが、信託報酬は0.0938%と、楽天VTIよりもさらに低くなっています。
純資産額は楽天VTIより小さいものの、順調に右肩上がりに増加していっています。
なので繰上償還(運用が途中で停止され、強制売却させられる)のリスクはそこまで心配しなくてよいでしょう。
ちなみにこのSVI VTIもつみたてNISAで購入できる投資信託になります。
これから投資(つみたてNISA含む)を始める方には、より手数料(信託報酬)が安いSBI VTIの方がお得に投資できそうですね。
まとめ

VTI (全米株式)の何たるか、そしてVTIに連動する投資信託についての理解が進みましたでしょうか。
最後に今回の内容をざっとおさらいしましょう。
✅VTIとはバンガード・トータル・ストック・マーケットETFのこと
✅VTIは米国の小~大企業まで約4,000社の株式が投資対象
✅構成銘柄の上位10社にはGAFAM等の大企業が含まれる
✅年平均のリターンは設定来で約8%
✅手軽に購入するには以下のような投資信託を購入する
・楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)
・SBI・V・全米株式インデックスファンド(SBI VTI)
米国株は過去、何度も暴落や不況を乗り越えて右肩上がりで成長してきました。
しかし、米国における過去の経済成長、株価成長が今後も続くとは限りません。
未来を正確に予想することは誰にもできないということですね。
そんな中でも米国の経済成長を信じる方にとって、VTIやVTIに連動する投資信託は有望な投資先になるのではないでしょうか。
今回の内容があなたの資産形成にとって少しでも助けになれば幸いです。
最後までお付き合い頂きありがとうございました♪
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